毎日、母は何を考えているのだろうか?
事故前は元気に歩き回っていた母。
今は足腰も弱ってしまい、ずっと車椅子生活だ。
今年1月の事故以降、転院のわずかな時間を除いて母は外に出ていない。
退屈しないのだろうか? 窓からの景色を見て、母は何を思うのだろうか?
「買い物に行きたいな」、「外食でもしたいな」、「カラオケに行きたいな」
そういった欲求すら今の母には無いのかもしれない。
未来に希望を持てない人間。
思考を停止して、「その瞬間だけを生きている」のが今の母だ。
だから明日、僕が突然死んでも母が悲しむ事はないだろう。
それどころか、目の前で僕が刺し殺されても母は笑っているかもしれない。
↑言葉は発するも、心がどこにあるのか分からない。
↑ これは昨年12月末、事故に遭う一ヶ月前の母だ。
伊丹空港まで迎えに来てくれて、その満面の笑みは僕たちに向けられている。
もう二度と戻らない母の笑顔。
「おかえり」
母からその一言が聞きたい。